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美味しい思いをしたのは… [放射脳]

『美味しんぼ』とかいうマンガが世間を騒がせているようだ。

今更ながらに「福島で鼻血が…」とか「がれき焼却で健康被害が…」などと言っている人たちの『痴的水準』の高さにはほとほとあきれてしまう。

だが『世間を騒がせている』時点で、出版側の思惑通りではないかと思う。
宮城の新聞記事から一部だけを引用しよう。

 福島県内の反発拡大 抗議声明も 「美味しんぼ」被ばく発言

(略)

 福島市内などの書店やコンビニエンスストアなどでは軒並み、12日発売号が売り切れた。
 県庁近くの西沢書店大町店では前日までに購入予約が相次ぎ、12日昼までに完売した。同書店の担当者は「話題になっていることもあり、すぐに売り切れた」と話した。

(略)

河北新報 5.13

ほらっ、出版社の思うつぼ!

今年の年明け早々に日豪プレスというサイトにこの作者のインタビュー記事が載って批判が殺到した経緯があるのだから、現在のような騒ぎになることは出版側も想定内だったはずだ。

ちなみにこのインタビュー記事には、

--東北地方の海産物の多くを今後食べられなくなる可能性も。 
雁屋「恐らく食べられなくなるでしょうね。どうしようもない、とんでもない被害ですよ。山の幸も川の魚も…」

という記述があるから、東北の陸地、川、海で生産された食物全体が危険だというのがこの人の信念なのだろう。

どんな主張が世に問われても良いが、受け手がきちんと判断を下して、とんでもないことを言っている作者・出版社は静かに世間から軽蔑される社会であってほしい願っているが、そんな期待はこの日本には重すぎるのかもしれない。

今度ばかりは大臣なども批判のコメントを出しているようだが、これも「今更ねぇ」という気がする。「京都の送り火に岩手の松を使うな!」とか「沖縄に青森の雪を持ち込むな!」なんて騒ぎがあった頃に毅然と効果的な対処をした政治家がいたならば大いに評価するんだけど、見当たらなかったよ。
それにこの手の『痴的』な人たちは、大臣などから批判されるとますます快感を覚える人たちですよ。

「風評被害を拡大させる」のはその通りなんだけど、東北で食べ物ビジネスを続けたいと考えている者はそんな風評におびえていても仕方がないという所まで追い詰められていますよ。
そういう『痴的』な人たちが決して少ないとは言えない比率で存在し、それはずっと存在し続ける世の中なのだと認識した上で、それを乗り越える努力を重ねなければとっくに全滅している。
この『痴的』な活動の影響は海外にも及んでいて、外国でも産地が原因で忌避されるという苦い経験もしている。

さらにマンガだけを叩けばいいってものでもないだろう。
同様のことを公言して今なおお盛んな大学教員、ジャーナリスト、国政政党等々たくさんいるじゃないか。
以前のエントリーでも言及したが、「大阪でがれき焼却が始まったから心臓がひっくり返った」と大ボラを吹いて参院議員になった男もいる。
『頭狂』…じゃなかった『東京新聞』はこの騒動に関連して、
 <確かなのは「分からない」>
 <被害隠し図る国と県>
 <美味しんぼ批判 行き過ぎはどちらだ>
などと見出しを打って、マンガに同調する姿勢を示している。

根本的な対処は出来ずにモグラ叩きのようなことをしていてもさほど意味のあることではないと思う。


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