ドイツ訪問記録(1) [ドイツ]
ダッハウ強制収容所メモリアルサイト(その1)
ミュンヘン近郊のダッハウ強制収容所は、1933年に政治犯収容所として設置され、やがてユダヤ人やロマ、同性愛者、ソビエトの戦争捕虜などを加えて拡大を繰り返し、1944年末には周辺のサブキャンプも含めて63,000人の人たちが収容されていたとされています。過酷な強制労働や拷問、人体実験、劣悪な生活環境下でのチフスの流行などによって、多くの命が奪われました。
ミュンヘン中央駅から近郊電車2号線で20分ほどのダッハウ(Dachau)駅で下車し、駅前のバス乗り場から726番のバスで10分弱ほどのところにあります。
prisonersを収容するバラックが並ぶ区画への入り口。中央に設えられた鉄製の門扉には...
ARBEIT MACHT FREI(労働が自由をもたらす)との標語が掲げられている。
保存・公開されているのは当時の施設の一部、バラックが建ち並んでいた区画を中心とする部分なのですが、そこへ足を踏み入れたところで予想を超える空間の広がりに、ぼくは軽いショックを覚えました。
このような施設をいくつも設置して維持するには、膨大なコストを要したであろう。戦争を行う一方で、このような国家プロジェクトを実施するのは相当な負担であったのではないだろうか?それとも、国の体制を維持して戦争を遂行するためには、必要なものだったのか?
そうだとしたら、なんとなく世論をまとめて国の行為を容認させるための、もっとお手軽なメカニズムを現代の為政者は発見したのではないだろうか。
四角い土台のひとつひとつにバラックが建てられていた。ポプラ並木をはさんだ反対側にも対称的にバラック跡が並んでいる。
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