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仙台にて(6) [地震]

連日、給水所に通っています。
昨日までは給水車が止まっていてそこから直接水を受けていたのですが、今朝は大きなバッグに水が入れられていてバッグから延びた管にもうけられた蛇口から水を受け取る方法に変わりました。
これいいじゃないですか。安価な資材で出来る仕組みだし、車は短時間に水を下ろしてまたすぐに水の運搬に利用できます。
わが家周辺の水道復旧は31日とアナウンスされましたから、長期戦になると見極めがついた場所に設えることにしたのかもしれません。
衛生管理が面倒なのかな。

電気が戻ってポットの湯が得られるようになって何日も経つのに、今日ようやく家に1杯ずつパックになったドリップコーヒーがあるのに気がつきました。インスタントじゃないコーヒーは10日ぶりです。
棚の奥深くにしまい込んでいたわけでもないのに気付かなかったのは、やはりどこか動転していたのでしょうか。固形物にばかり目がいっていたのかもしれません。

 東日本大震災:谷垣氏入閣拒否 首相の大連立案、不発 与野党の駆け引き続く

 菅直人首相は19日、自民党の谷垣禎一総裁への入閣要請に踏み切り、東日本大震災という「戦後最大の危機」を乗り切るため、民主、自民両党の「大連立」を狙った。自民党側は震災対策には協力する方針を打ち出しているが、衆院解散・総選挙を求めてきた菅政権への全面協力には抵抗が強い。首相の「直談判」は不発に終わったが、政府・民主党側は自民党に限らず今後も広く野党の協力を取り付けようと政権参加を呼びかけていく構えで、未曽有の国難を巡る与野党の駆け引きが続く。

 「これから官邸に来てください」。菅首相は19日昼過ぎ、自民党本部に電話をかけ、谷垣氏を首相官邸に招いた。「電話で言ってください」と官邸訪問を避けようとする谷垣氏に対し、首相は「電話で言うような話ではないから来てほしい」と重ねて求めたが、結局、電話での入閣要請となり、正式な党首会談には持ち込めなかった。

 両党の関係者によると、18日に首相側から「秘密裏に会いたい」と水面下の打診があり、19日に電話で連絡を取る段取りになっていた。18日の各党・政府震災対策合同会議では民主党の岡田克也幹事長が閣僚を3人増員する内閣法改正を野党に提案。自民党側は増員には賛意を示したものの、野党から震災復興担当相などに充てる狙いを察知し、入閣は拒否する方針を固めていた。

 ただ、党首会談の席で断れば、震災対策の協力を拒んだと国民に受け取られかねない。そう考えた谷垣氏は会談自体に応じず、記者会見で「新しい連立を作る提案だとすれば、政策をどうするかなど前さばきがなければならない。最初からトップダウンでやるのは私の政治手法からすると順序が逆だ」と述べ、連立協議で政策をすりあわせる前に入閣を求めた首相を批判した。

 いきなりトップ同士の交渉を仕掛けた首相の手法に対しては、民主党内にも「周辺からしっかり水面下で固めるべきだった」(幹部)との批判もある。だが、自民党側は「こちらが断れば『こんな大変な時に協力しないのか』という雰囲気になる。成功すればもうけものと考えたのだろう」(幹部)と世論の批判が自民党に向かうのを警戒する。

 菅首相は19日、公明党の山口那津男代表にも電話し「引き続き震災対策に協力してほしい」と求めたが、同党関係者によると、入閣要請はなかったという。同党も首相の「抱きつき戦略」を警戒しており、山口氏は「入閣要請や連立の打診が仮にあったとしても受けることは考えていない」と明言している。【中田卓二、横田愛】

毎日新聞(3/20)

以前の記事のとおり、今の内閣には期待しないというぼくの考えは変わりませんが、自民党もすっかり腰が引けているのですね。

「今の内閣では震災対応の能力が無く降参するということですね」と言って、火中の栗を拾うべく腹をくくれば、野党が求めていたように来年度予算を骨格部分のみに修正して震災対応の補正に備える事も現実のものになったでしょうし、近い将来の首相退陣も確定していたことでしょう。

国をリードする覚悟を備えた政治家が不在なのですから、われわれ市民がしっかりするしかありません。


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仙台にて(5) [地震]

降り積もった雪はほぼ消えました。
昨日は歩きにくい場所も多くありましたが、今日は歩道も乾いてきています。
全国から様々な車両がやって来て作業をしてくれています。関東以西からの車は夏タイヤのままでしょうから、一昨日は走行するのに苦労したことと思います。
22日の天気予報も雪のマークがでていますが、路面を濡らす程度でおさまって欲しいと願います。

前回の記事は理解しがたい年寄りの話だったので、今回は若者の話題にしましょう。

 被災地から東北高ナイン甲子園へ 「苦渋」の選抜出場

 東日本大震災の被災地にある東北高(仙台市)の野球部員らが19日午後、選抜高校野球大会に出場するため、甲子園に向けて出発した。
 同校ナインらは地震発生初日から給水ボランティアなどを続けてきたが、大会開催が決まった18日には五十嵐一弥校長が「(出場は)苦渋の決断。学校には賛否両論の意見をいただいている」とのコメントを発表した。
 震災で仙台空港が使えないため、山形空港から大阪空港を経て甲子園入りする。同校は大会第6日第1試合目に大垣日大高(岐阜)と対戦する。

河北新報(3/19)

「こんな事が起きている時に…」という意見もあるようですが、いいんじゃないでしょうか。
甲子園で野球のゲームが行われたから、被災地の困難が深まるという影響はあまりないと思います。日本中が自粛モード一色になって、とにかく派手な活動を中止すればよいというのもおかしな考えだとぼくは思います。

地元からの物心両面での支援はわずかなものになってしまうかもしれません。メンタル的にも動揺があって野球に集中しきれない部分があるかもしれません。
でも、出場を決めた以上は後で地震を言い訳にした後悔が残らないよう、思い切ったプレーで自分たちのベストを発揮してくれるよう期待します。


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仙台にて(4) [地震]

今日は、結構激しく雪の降る時間もあって外は銀世界になってしまいました。こうなってしまうと自転車を使うのは滑って危ないですね。
月、火、水と配達された新聞が今日は届きませんでした。輸送の途中で事故があったのでなければよいのですが…。

北海道新聞の報道から引用します。

原発「津波に耐え素晴らしい」 原子力行政「胸を張るべきだ」 経団連会長が発言

 日本経団連の米倉弘昌会長は16日、東京都内で記者団に対し、福島第1原発の事故について「千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」と述べ、国と東京電力を擁護した。米スリーマイルアイランドの原発事故を上回る重大事故との見方が強いだけに、発言は波紋を広げそうだ。

 米倉会長は事故は徐々に収束の方向に向かっているとし「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」と発言。「政府は不安感を起こさないよう、正確な情報を提供してほしい」と話した。

 一方、日本商工会議所の岡村正会頭は同日開かれた定例会見で「放射能の放出は、国民が最も不安を抱く。正確かつ迅速な情報提供を望む」と要望。その上で「原発の建設基準を向上させるしかない。見直しの期間だけ、(建設が)延伸されることは当然起こりうる」と述べ、今後もエネルギー供給の一定割合は原発に依存せざるを得ないとの認識を示した。

北海道新聞(03/17 10:55)

現在進行している事態が、「望ましいこと」として目に映っている人もいるんですね。
リタイアした爺さんが飼い犬でも相手につぶやいているのならいいのですが、この人の意思を思い測りながら政治家や高級官僚がうごめくのがわが国の現状です。
気持ちが暗くなってしまいました。


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仙台にて(3) [地震]

今日は断続的にちらちらと雪の降り続く1日でした。

NHKとテレビ朝日系以外のテレビ局は夜になって通常の番組に戻っているのでしょうか?
仙台では、地元民放局からの放送が流れています。こちらの方がぼくたちにとっては有益だなぁと思っています。

地震発生から6回目の夜になって、顔や名前の漢字が見える安否情報や受診可能な病院、スーパー等の営業予定などの生活情報の方が、正直なところ東電の停電や首都圏の電車運行状況の情報よりも重要です(不便を被っている人たちには申し訳ないのですが…)。
自らも被災者である地元放送局の方々はご苦労も多いことと思いますが、思い切ってあと何日か続けても良いのではないかと思います。

テレビといえば、改めて思い返してみて驚いていることがあります。
月曜日の早朝に通電が回復してからパソコンでe-メールを確認してみると、すでにチュニジアの知人たちから見舞いのメールが届いていました。
つまり、仙台にいるぼくよりもチュニスにいる彼らの方が早く津波の映像を目にして息をのんでいたということです。

映像は素早く地球を駆けめぐり、隔たりを埋めてくれます。


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仙台にて(2) [地震]

ぼくの周囲では事態は少しずつ良くなっています。
今日はほとんど並ぶことなく、『名古屋市』と書いた給水車から水を分けていただきました。
壊れた家財を片づける人の姿も多くなり、とりあえず身を守ることから生活を回復する活動へという動きを感じます。
燃えるゴミの収集も再開されました。いや、この場所に限定するならば、収集日が火・金曜日なので1度も欠けることなく仙台市環境局は活動してくれています。
今日は明らかに余震の回数が少なくなりました。 … と思ったら22:30頃大きく揺れました。

一方で、原発はどうなっているのでしょうか。
事態を掌握できている人がどこかにいるのでしょうか。
誰もが「よくわからない」と人ごとのように言っているような印象を受けます。

東京電力の手に負えない事態ならば、外部の知恵を借りる必要はありませんか?
テレビに出ている大学や研究機関などの『専門家』は、評論家ではなく実務家として力を発揮する気にならないのでしょうか?
彼らは理屈を扱うだけで実際のシステムには無力であるならば、他の電力会社も含めて同型の原子炉を扱っている技術者とか、ポンプは燃料が切れると止まってしまうことを理解しているポンプ技術者とかにアドバイスしてもらってはどうでしょうか。

ラジオに耳を傾けていた3夜の間、首相や官房長官が「しっかりと対処する」と発言するのを何十回と聞きました。
昼に「自宅や事務所の中に留まれ」と命じておいて、その後はほったらかしですか?
命令に真面目に従って建物に閉じこもった人たちは、冬眠するしかないのですか?
放射線の数値が落ち着いているならば、夕方までに解除する。そうでないならば、防護服に身を包んだ大臣たちが1軒ずつ訪問して食事や水を届ける必要はありませんか?
そのような思考が「しっかり対処する」事だと思います。


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仙台にて(1) [地震]

大地震に遭遇してしまいました。

過去に北海道で、ニュースになるような地震を何度か経験しましたが、今回は過去の体験よりも激しく、そして長い時間揺れたように感じました。

金曜の夕刻に山形寄りの地域にある自宅へ戻り、周囲を見回しても建物に損傷が無いようなので、中に入って過ごすことにしました。
電気、水、ガスの供給が止まった中で金曜、土曜、日曜日の夜をやり過ごし、今日、月曜日の未明に電気が通じるようになりました。夜通し復旧作業を続けておられる方々に深く感謝したいと思います。
節電の呼びかけがあるので、台所の20Wの蛍光灯だけを点していますが、昨夜までとは天と地の差です。

自宅が無事なので、食べ物は手持ちの物を少しずつ口にしています。こういう時のために腹回りにたっぷり蓄えをしているので、摂取量が少なくても問題ありません(おまえはラクダかっ!)。今日は湯も沸かすことが出来るので食事も豪華版です。
いよいよ食い尽くした時には近くの避難所に助けを求めようかと思っています。

今日はじめて、被害の映像を目にしました。
いつも大勢の人が歩いているJR仙台駅内があれほど多くの落下物に見舞われて、下敷きになる人が一人も出なかったのは奇跡的な幸運だと感じました。

ガソリンや食品などを求める自家用車が列を成して道路をふさぐ映像も目にしました。品不足で物資を購入できない不満も語られていました。
しかし、現時点はやはり避難所への物資供給を最優先すべき時だと思います。
住まいを丸ごと失ってストレスの多い避難所に身を寄せている人たちが、欠食しているという状況は一刻も早く解消しなければなりません。

仙台ではバスなどの運行が再開されているので、今は個人の移動手段としての自家用車利用を極力避けて円滑な交通を確保した方が、容易に物資を購入できる状況をより早く回復することにつながることでしょう。


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