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問題の本質を見つめよう [社会]

出来事自体については何か書きたくなる事ではありませんが、事後の対応があまりにも的外れなその場しのぎで、この社会の底が抜けてしまったのではないかとすら思えてしまうのです。

ひとつめは京都市での騒動。

五山送り火:陸前高田市のまき 「現地で迎え火」に 

 津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松を京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が放射能汚染を懸念する声を受けて中止された問題で、震災遺族らのメッセージが書かれたまきが8日夜、同市を訪れている「大文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長や現地の人の手で精霊の「迎え火」として燃やされた。

 遺族らは午後7時から黙とう。333本のまきに点火した。祖母とおばを亡くした栃木県小山市の大学生、斎藤さとかさん(22)は「亡くなった方々の魂も天に昇っていくよう」と炎の上がった空を見上げていた。

 保存会はメッセージを別のまきに書き写して送り火で使う。京都市によると、中止決定以来、約250件の電話やメールがあり、大半が中止を批判する声だった。同市の門川大作市長は、協力した現地の人に「まきの一部を残し15日に京都市役所前で行うイベントで送り火のように燃やしませんか」と打診したが、断られたことを明らかにした。

毎日新聞 2011年8月8日 22時12分(最終更新 8月9日 0時40分)

京都市長のやるべきことは、「少量であれば役所の前で燃やしてもよい」と岩手に向かって許可することなのでしょうか?
京都市民に向かって、この出来事をきちんと見つめ直す機会を作るのが先ではありませんか?

事実経過を整理した上で、「放射性物質とは?」「放射性物質の付着した廃棄物の処理方法は?」などを説明して、東北地方の地図を添付した資料などはすぐに作成できるじゃないですか。そんな物を配布するのもひとつの手段かもしれません。

京都自身の『変わる努力』が見えないまま、「岩手にボールを投げたけど返ってこなかった」と言っているのでは、今回の騒動で生じた評判(風評ではありません)を回復するのは難しいでしょう。
ぼくなどは岩手よりもずっと原発に近い場所に住んでいるので、間違って京都に出かけたりしたら、ホテル等の入り口で「おいでやす」と迎えられてもフロントで住所を書いたとたんに「いちげんさんお断りどす」とたたき出されたりするんじゃないかと想像してしまうんですよ(本当に出かける予定があるわけではないので京都のみなさんはご心配なく)。

つぎにテレビ局での騒動。
東海テレビのHPには次のような記述があります。

 【お詫び】

「ぴーかんテレビ」内での不適切な表現の放送について

 8月4日(木)に放送いたしました「ぴーかんテレビ」におきまして、岩手県産ひとめぼれ10kg当選者として「怪しいお米」「汚染されたお米」「セシウムさん」等の不適切な表現が表示された字幕テロップを放送しました。福島県をはじめ原発事故による被害を受けた方々や岩手県の農業、畜産業に携わる方々にご迷惑をおかけし、視聴者の皆さまには大変不快な思いを抱かせてしまいましたことを、ここに深くお詫び申し上げます。

 8月5日(金)午前10時に岩手県庁、そして全国農業協同組合連合会 岩手県本部に、弊社のコンプライアンス担当常務取締役・祖父江伸二が訪問、直接お詫びし事情説明致しました。

【特番関連】

東海テレビは、本件に関する特番を以下のように放送しました。
番組名  :不適切な放送のお詫びとご報告
放送日時 :2011年8月5日(金) 18:36:32~18:51:27(14分55秒間)
放送エリア:東海テレビローカル(愛知・岐阜・三重県)
放送内容 :※弊社社長・浅野よりお詫び
※事実関係のご報告
※ぴーかんテレビ休止のご報告
※今後について

(弊社社長・浅野お詫び内容)

弊社(東海テレビ)の「ぴーかんテレビ」で昨日、極めて不適切な放送をし、岩手県、福島県の皆様をはじめ、多くの方々にご迷惑をおかけしました。また視聴者の皆様にも、たいへん不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。本日は、何故このような事が起こったのか、事実関係をご報告させていただきます。また、後日改めて検証番組を放送する予定です。この度は、誠に申し訳ございませんでした。

(事実関係のご報告)

※番組で放送した内容の要約と、その後判明した事実関係を下段に付記しています。

○なぜ、このような不謹慎なテロップが放送されてしまったのか?について
1)なぜ常識を欠いた不謹慎なテロップが放送現場に存在したのか?
・問題のテロップは・・・
  • CG制作を担当する50代の男性スタッフにより作成された。
  • CG制作担当者が、実際に当選者の名前を記入する前の仮のものとして「ふざけた気持ち」で作成してしまったものだった。
  • CG制作担当者に渡す発注書には、不謹慎な文言は記載されていなかった。
・8月3日(水)(=放送前日)にテロップ画面をタイムキーパー(以下TK)が確認、その場で訂正を
 依頼した。しかし、CG制作担当者はそれを訂正の依頼と認識せず、そのまま放置した。
・8月4日(木)(=放送当日)朝、TKが問題のテロップを再度確認し、改めて訂正を依頼したが、
 CG制作担当者はこの時点でも「訂正の依頼と認識せず」放置した。
・「訂正」を巡るスタッフ間の理解の食い違い、テロップをチェックすることになっているディレクターに、
 問題のテロップの存在が伝わらなかったことで、チェック機能が働かなかったという管理体制の甘さによ
 り、常識を欠いた不謹慎なテロップが、放送の最終段階まで残ることになってしまった。
2)なぜそのようなテロップが23秒間も放送されてしまったのか?
・不謹慎なテロップが出たのは、通販コーナーのVTR O.A中だった。
 番組スタッフはその裏で、その後に予定されていたスタジオコーナーのリハーサルを行っていた。
・TKがリハーサルに合わせ当選者発表の仮テロップを準備する作業をしようとした際、仮テロップが不謹慎
 な文言のままだということに気づいたが、誤操作でテロップが放送されてしまった。
・不謹慎なテロップが画面に出た際、ディレクター他の制作スタッフは、放送画面ではなくリハーサル用の
 画面を見ながら作業をしていたため、放送画面のチェックが遅れ、その後慌ててテロップを外したが、
 結局23秒間にも渡り放送してしまった。

(ぴーかんテレビ休止のご報告)

『ぴーかんテレビ』は、当面放送を休止。コンプライアンス意識と管理体制の再検証を進める。

(今後について)

後日改めて検証番組を放送する予定です。
引き続き、原因究明と検証を重ね、このような事が二度と起こらないよう、
管理体制の見直しとコンプライアンスの徹底を図り、失った信頼を回復するため努力してまいります。

以上

この文書を作成した人は「なぜ外部にばれてしまったのか」を問題視しているんじゃなかろうかと感じるのはぼくだけでしょうか?
問題の本質は「ふざけた気持ちで作成した」とだけ述べられている所にあるんじゃありませんか?

なぜ、50歳過ぎの人が(私的なお絵かき帳でなく)会社の機材を使って(たぶん業務の一環として)あの画像を作成したのか。
他の人物もその画像を目にしていたにもかかわらず、その場で「ふざけるのもいい加減に」とか「仕事と遊びを混同するな」とか毅然と言い渡す雰囲気が社内には存在しないのか。
この部分にきちんと目を向けずに「コンプライアンス」なんてかっこいい言葉を使っていても、全く意味を成さないだろうと思います。いや、コンプライアンスという言葉を理解して使っているなら、自ずとその方向に目が向くはずなのですが…。


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