戦争の民営化 [外から見た日本]
こちらでテレビのニュースを見ていると、明らかに日本のニュースとは違う種類の情報を知らされているように思います。
(ぼくがよく見ているのは、英語チャンネルも放送されているFRANCE24というフランスのニュース専門チャンネルです。アラブ諸国のチャンネルもたくさん見ることは出来るのですが、言葉が理解できないのが悔やまれます。)
日本では郵便局の民営化がスタートしたそうですが、ぼくが最近気になっているのは戦争の民営化。
イラクではブラックウォーターというアメリカの『民間警備会社』が、無茶苦茶な活動をしています。アメリカ議会も無視できなくなって会社の会長を呼んで証言を求めたようですが、会社側は「適切な行動」と主張しているようです。しかし、CNNが伝える目撃者の証言では全く異なる現場の状況が浮かび上がってきます。
そもそも『民間企業』の活動として、銃器を持って他国に乗り込み人を撃ち殺すということは、国際法などに照らして正当なものといえるのでしょうか?
テレビでは「資料映像」としてこの会社の警備訓練の様子が映し出されましたが、ぼくにはテロ組織の軍事訓練として紹介される映像とだぶって見えてしまいます。テロとの戦いなのかテロリストとしての戦いなのか???。
カタカナで「ブラックウォーター」と検索をかけても日本の報道機関のサイトにはほんの少ししかヒットしないのですが、日本ではこのようなことがきちんと伝えられているのでしょうか?
今にして思えば、2004年にイラクのファルージャでアメリカの『民間人』4名が殺害されて焼かれた遺体が橋から吊り下げられるということがあった時、一般には「民間の技術者になんてひどいことをするのか」という論調が多い中で、「民間企業とは言っても、あれは軍事活動を行う会社だ」と指摘する少数の人がいました。この4名がブラックウォーター社の社員だったわけです。
今日もイラクで「外国警備会社の銃撃により2名の女性が死亡」と伝えられています。
このような情報が広くきちんと知らされたうえで、日本がどう関わっていくべきかを論じなければならないと思います。
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