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議会の重み [外から見た日本]

自民党総裁選挙の結果が報じられています。報道では、「25日の国会での指名を経て総理大臣に」と議会の指名選挙が単なる手続きとして語られています。まあ実際にそうなるのでしょうが、ご本人にはこの2日間のギャップの意味をしっかりと確認していただきたいと思います。
前任者のように「これはすでに国際公約なのだから議会はすぐに法案を可決すべき」などと、国政の仕組みを全く理解していない本末転倒なことを言い出さないために…

国会が国権の最高機関ということは、学生でも知っていることです(『国会』の所を空白にした問題が試験に出されるようですね)。
行政官が外国と相談してきたから議会がそれに従わなければならないのではなくて、各々の問題に関しては議会が別の判断をすることもあって、その場合には議会の判断が優先するのが現行の仕組みのはずです。

現状で『日本にとっての国際公約』と言えるのは、現行法が定めた期日までの活動がそれに当たるのでしょう。
「私は活動継続が日本にとって必要な措置だと考えるので、法案を提案します。その内容を議会において吟味の上で賛同して、国際公約に仕上げて下さい。」と言って中味をきちんと説明するならば筋が通っていますが、すでに決まったことだからと言わんばかりに結論を急ぐのは姑息なやり方と言わざるを得ません。

そもそも、独立した国家としての判断が国際的な協議の方向とは別にあり得るということは、「国連議決や京都議定書はわが国の方針に何らの強制力も持たない」と言い切る国の人ととても親しく付き合っているのだから、十分分かっているはずです。

今、ぼくの暮らしている所は独裁だといわれています。毎日の新聞では一面の左上が大統領の指定席になっており、大統領が海外の要人と会談したことや大統領が省庁に指示した事などが写真入りで掲載されます。その一方で議会の存在感は希薄で、ぼくも大統領府や首相官邸の場所や建物は分かるのですが、議会がどこにあるのかを知りません(勉強不足なだけかもしれませんが)。

漠然とした感想ではあるのですが、最近、日本の総理大臣になる人たちやマスコミが指向しているのは、ぼくの暮らしている所のようなやり方ではないのかなという気がしています。「強力なリーダーシップを発揮」とかいって、権力者がどのように議会の手続きをやり過ごすかだけに注意が注がれている。
議会での議論の中味ではなく、権力者から見た手続きの進め方-『国会対策』といった文脈でのみ議会が語られるようになった時、日本は本当に危ういと思います。


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