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ボーダー [国際]

3月にチラッと書いたとおり、春からチュニジアで暮らしています。

ぼくがこちらで感じたことのひとつが、「国境の壁が高くない」ように思われることです。
政府の仕事としての出入国管理や国境警備のことではなくて(これはむしろ厳しい方なのかもしれません)、人々の意識の中にある自国と他国を分ける壁のことです。

日本の場合、言葉の影響もあるのかもしれませんが、「日本(人)」と「非日本(人)」とを隔てる意識が大きく存在し、機会には恵まれているにもかかわらず枠組みを超えて自らが外へ踏み出すにも、あるいは外から迎え入れるにも、何らかの「決断」を必要としているような気がします。
外国の人と居合わせた場合に、「出来ることなら関わりたくない」と感じる人はまだ多いのではないでしょうか?

北アフリカのこの地は、ヨーロッパや周囲の地域との関わり無しには、歴史的にも現在の社会状況的にも成立し得ないということはあるにしても、外向きの関心や積極的に関わろうとする意欲を持つ人たちが多いように感じます。
こちらの人たちは家庭ではアラビア語(チュニジア方言)を覚え、初等学校ではフランス語を学び、最近の若者たちは高等学校で英語も学んでいるということが影響しているのかもしれません。
もっとも、貧富の差・地域間格差はぼくが想像していた以上に大きなものがありますから、そのような機会に恵まれるのは一部の人に限られるのですが…。

こちらではぼくは一目でそれと分かる外国人なわけですが、言葉が満足ではないぼくに対しても商店や食堂では実に親切な対応をしてくれますし、電車などで居合わせた人が好奇心むき出しで、話しかけてきたり仕草で意思疎通を図ろうとしてきたりすることもあります。

これが逆に、日本語を十分に理解できないチュニジア人が、ひとりで日本の街を歩いた場合には、とても心細く不便な思いをするのではないかと想像してしまうのです。


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