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問題の根は『体罰』なのか? [社会]

昨日テレビで、元プロ野球選手の桑田真澄氏がスポーツ指導と体罰という切り口で話しているのを目にした。
スポーツ指導のあり方として、耳を傾けるべき考え方だと思う。
「自分で考え行動できる選手こそが良い選手であり、そういう人を育成するのが良い指導である」という見方を、スポーツ以外の面にも広げて考えてみれば見えてくるものが多いと思う。

大阪で自殺に至ってしまった人は、殴られて痛かったから絶望してしまったのだろうか?
求められた行動をしなければならない重圧と、その行動に意義を見いだせない自分の思いのギャップで苦しんでいたのではないのか?

「オマエがどう考えるかなど関係ない。オマエが納得するかどうかなどどうでもいいから、とにかく言われた通りに動け。」という場面では、暴力が手っ取り早いのだろうが、それ以外にもいろいろな手法での脅しがあり得る。

そもそも、この国の教育はどういう人間形成を目標にしているのか。
与えられたことを丸呑みして記憶し、先生や親の言うことに従順な『良い子』を求めているのではないか。独自の視点で考えたり悩んだりする子は、『面倒な子』と疎んじられてはいないか。

言われたことを丸呑みして期待通りに行動するように仕向けるのが優れた指導なのか、自分で考え納得して適切な行動につながるようにするのが良い指導なのかをきちんと整理した上で考えてみなければならない。

ぼくは、一昨年8月に「他人の文章を丸写しして自分の意見だと言い張ることに抵抗感がない」人たちがいるとこのブログに書いたことがある。
自分なりに考えてみる事をないがしろにする人が、すでに数多く存在している。


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おめでとう! ベガルタレディース [社会]

楽な道のりではなかろうと思いながら4月に記事を書いた(→女子サッカー、仙台ダービー)が、見事に目標は達成された。

仙台レディース昇格 リーグ1年目で首位快走

 サッカー女子、プレナスチャレンジリーグのベガルタ仙台レディース(仙台L)は28日、群馬県川場村で行われた第21節のS世田谷戦に5-0で勝ち、リーグ参戦1年目での優勝と来季のなでしこリーグ昇格を決めた。

 仙台LはFW伊藤美菜子がハットトリックを決めるなど、S世田谷を圧倒。前半に2点、後半に3点を挙げて完勝した。通算成績は19勝2分けで勝ち点59。残り1試合で、2位の高梁吉備国際大との勝ち点差が9に開いた。

 仙台Lはことし2月、福島第1原発事故の影響で活動を休止した東京電力マリーゼを引き継ぐ形で誕生。リーグ戦では無敗で首位を快走した。7月には、元マリーゼの日本代表、鮫島彩(宮城・常盤木学園高出)も加入。マリーゼが戦っていたなでしこリーグに1年で昇格するという目標を見事に達成した。
 仙台Lは11月4日、仙台市泉区のユアテックスタジアム仙台で今季最終戦(対日体大)に臨む。

河北新報(2012.10.29)

東京電力にまつわるあらゆる事柄をバッシングすれば気が晴れるというような風潮の中で、東電職員の身分のままで不安な2011年を過ごした人たちがいる。
福島での高校生活を突然に断ち切られた人が、新たに加わった。
仲間のことを思って常に連絡を取り合いながら世界と戦ってきた人も、戻ってきた。

それぞれの選手が、様々な思いを抱えながら走り続けた結果が実を結んだのだろう。
ほんとうにおめでとう、お疲れさまでした。

これまでユアッテックスタジアムで行われた2試合は、宮城の民放テレビが生放送していたけれども、ここにきてNHKも座視できなくなったようだ。
11月4日(日曜日)のリーグ最終戦は東北地方での生中継が決まったらしい。

遠くの試合会場までは足を運べないという福島のマリーゼサポーターにも姿を見てもらえるチャンスだから、弛まずに勝利でリーグを終えて欲しい。

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女子サッカー、仙台ダービー [社会]

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ベガルタ仙台レディース vs 常盤木学園高校 のゲームをスタジアムで観戦してきた。

ベガルタレディースの選手の大半は、東京電力のチームが休部してしまった後、それぞれに活動場所を探して1年間を散り散りになって過ごし、今年から再び結集した人たちだ。

試合は両チームの背番号10、常盤木;道上(この高校生はすごい。ロンドンには間に合わないんだろうが、この夏日本で開催されるU-20ワールドカップで輝くだろう。)とベガルタ;伊藤両選手のゴールで1-1の引き分けであった。

ベガルタは個々人の技術は秀でているが、チームとしての連動にまだ伸びしろがあるように見えた。
始動してまだ数ヶ月、全員昼間は仕事を持ちながらの練習なので、これから上向いていくことだろう。
簡単なことでないのはわかっているが、1年で上部のなでしこリーグ昇格という目標が達成されるよう期待したい。

今日集まった観客は6,532人。
なでしこリーグINAC神戸の主催ゲームにも迫る観客数だ(入場無料で、クラブ最初のホームゲームというご祝儀的な面はあるけれども…)。
地元テレビ局ではこの試合が生中継で放送された。
多くの人が応援しているよ!!!


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広まる新興(信仰)科学 [社会]

マスコミの支援も受けて、新興科学が発展しています。

塩害農地を1カ月で再生 大幅短縮、ベンチャーが開発

 東日本大震災の津波による塩害で台無しになった農地を「最短1カ月間で再生できる」という土壌改良材を京都市のベンチャー企業「マイファーム」が開発した。農地の再生を大幅に短くできるとして、NTTドコモとNECが復興支援の一環で、量産化の無償援助を決めた。
 農林水産省によると、東日本大震災で津波による被害を受けた農地は青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県で計約2万4千ヘクタール。政府は、十分な量の真水で塩分を流し出す除塩作業などで「おおむね3年間での復旧を目指す」としている。
 これに対し、マイファームが開発した改良材は、数種類の微生物と有機堆肥(たいひ)を混ぜたもので、微生物が土に残った塩分を分解する。「約1カ月で作付けができる土壌になり、3カ月でほぼ元通りの土壌になる」という。6月から宮城県岩沼市の被災農地で使ってみたところ、2.9%だった塩分濃度が2カ月間で0.8%まで下がり、8月末にはトマトを収穫できた。

朝日新聞(10月29日3時27分)

津波による塩害、つまり塩化ナトリウムを主とする塩類が土壌に残ってしまって作物が生育しにくくなる事。
この塩化ナトリウムを微生物が分解して土壌から消し去ってしまったらしい。

これは世界中の理科系教科書に書き替えを迫る大発見ですなぁ。ノーベル賞間違いありません。
もっとも、新興科学の世界にいる人は、そんな賞には興味ないのかもしれません。

塩化ナトリウムは土の粒子とくっついて居座ったりしにくい物質ですから、真水で流し出すのがいいのですが、タイの洪水のような状態を何度も作り出すのは現実的ではないから、少し時間をかけて取り組む必要があるだろうと判断されているのです。
また、水で移動するのだから、2カ月の間に何度か雨にあたった畑のある部分の表層の土をつまんで測定すれば、2.9%が0.8%に変化するのは当たり前です。微生物の力など借りなくても意図的に作れるデータです。

NTTドコモとかNECという名称を散りばめて朝日新聞が記事にすると、何だかもっともらしく感じられますねぇ。
でも、このプロジェクトはもともとは塩害に強い作物を実らせてみようという意図だったはずです。それを、微生物が塩を消滅させて実らないはずの実がなったとする記事に仕立て上げる朝日新聞は、立派なマスゴミです。


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パブリックコメント-動員される世論らしきもの(下) [社会]

前の記事で役人側の勘違いを書きましたが、市民の方にも勘違いがあります。

パブリックコメントという仕組みがあります。
総務省のHPによるとその目的は…

パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。

と記載されています。また、国だけでなく地方自治体でも行われている制度です。

これは、命令等の文案について具体的な修正や補強の意見を求めるもので、決して人気投票ではありません。
Aという意見が30%、相対するBという意見が45%集まったからB案の命令を制定するというような集約をしてはいけないのです。
そりゃそうでしょう、こんな手法で「何が多数意見か」などと決めつけていいはずがありません。

ところが、しばしばパブリックコメントに対して勘違いした動員の呼びかけがわき起こります。
現在は『動物取扱業の適正化について(案)』への集中攻撃が進行中です。パブリックコメントとブログ検索をしてみると、雨後の竹の子のようにヒットします。

「見本文案のコピー&ペーストでよいので、あなたの意見を環境省に送ってください」と呼びかけられています。
パブリックコメントの結果も公示されていますからそれを1件でも精読してみるとわかるはずなのですが、何千通と同一文面の意見が投じられたとしても、それは1種類の意見として集約されるのです。
市民の力で役所の命令等を変えさせようとするならば、議員の尻をぴっぱたいたり署名を集めたりすることになるのでしょう。

だいたい、他人の文章を丸写しして自分の意見だと言い張ることに抵抗感がないのはどういうことなのでしょうか。
「これが正解ですよ。余計なことを考えずにノートに書き写して暗記しなさい」という訓練を長く続けて大人になる日本人の特質なのでしょうか。


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やらせ意見提出-動員される世論らしきもの(上) [社会]

九州電力のやらせ意見提出について、回りくどい表現ですが批判的に書いたことがありました(→ 続・言葉の信頼性)が、反省しなくてはなりません。
よく考えてみれば、批判にも値しない愚かな行為と見るのが適切です。
今日も新しいニュースがありました。

エネルギー庁“賛成意見 望ましい” 

九州電力の、いわゆるメール問題で、経済産業省の資源エネルギー庁の担当者が、ことし6月に開かれた玄海原子力発電所の運転再開を巡る説明会の前に、九州電力に対し「説明会では運転再開に賛成する意見があったほうが望ましい」と伝えていたことが分かりました。

この問題は、佐賀県にある玄海原発の2号機と3号機の運転再開に向けて、ことし6月、国主催の説明会が開かれる前、九州電力が原発の運転再開に賛成する意見を説明会に送るよう、社内や子会社にメールなどで指示していたものです。九州電力の関係者によりますと、国の説明会の前に、資源エネルギー庁の担当者が、東京都内で九州電力に対し、「説明会では、運転再開に賛成する意見があったほうが望ましい」と伝えていたことが分かりました。九州電力のメール問題を巡っては、佐賀県の古川知事が、説明会の前に九州電力の幹部と面会し「原発の運転再開を容認する意見を出すことも必要だ」と伝え、その後、賛成意見を求めるメールが社員などに出されていますが、資源エネルギー庁の担当者の発言は、メールが出された日より、あとだということです。九州電力は、資源エネルギー庁の担当者の発言が賛成意見の投稿を後押しした可能性もあるとして、経済産業省が設けた第三者委員会に報告したということです。

NHK NEWSWEB(8/21)

行われたのは原発に関する『説明会』であって、『意見交換会』でも『住民意向調査』でもありません。そこに(動員された)意見が届いたとしても、「住民は賛成している(あるいは反対している)」と判断を下す根拠にはならないはずです。
本当に住民の意向が知りたいのならば、正しい方法で意見集約する場が必要です。
上のニュースに登場する『担当者』は自分の担当する仕事の内容・目的を理解できているのかどうか、国家公務員としての資質を有しているのかどうか疑問符を付けざるを得ません。

こんなふうに『世論』を扱おうとする動きが出てしまうのは、制度の機能不全を象徴していると思います。
やはり個別・具体の課題に関して、直接市民の意思を問うための制度が必要なのではないでしょうか。


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スポーツ中継 [社会]

前回は女性に関することを書いたのでそのつながりで見回すと、今注目を集めているのはやはりサッカー女子日本代表でしょうね(サッカーはどうでもいいような騒ぎ方も一部にあるのはどうかと思いますが)。

バンクーバー・オリンピックの時に書いたように(→ 冬季五輪ボブスレーと事業仕分け)ヨーロッパの放送局を通じて色々なスポーツ中継を視聴できる環境にあったので、ヨーロッパの女子サッカーも何度か目にしていました。
その時の印象では、ロングボールの蹴り合いが比較的多くてフィールドの真ん中あたりが間延びしたような感じで、「女子のサッカーってピッチを狭くしてやった方がいいんじゃないか」なんて失礼ながら思っていたのです。

しかし、なでしこのゲームは違ってましたね。
パスをつなぎながら前進してボールを動かすことで相手を崩して攻め込む。守備でも運動量豊富に前の方からチャージをかけて自由にさせず、後ろの壁もしっかりと機能してボールをはじき返すスタイルが貫かれていました。
だから、ドイツのスタジアムに詰めかけた観衆がある種の驚きをもって見つめて、なでしこたちのサッカーを支持したというのにもうなずけます。
(ドイツのメルケル首相はしばしばサッカースタジアムに姿を見せて、堅物の物理学者といったイメージとは違う表情で観戦していた記憶があるのですが、今回は自国開催の女子の大会だったのに出向かなかったのでしょうか。決勝戦、悪くても3位決定戦の観戦を楽しみにしていたのかな?)

向こうのテレビでは、毎週ヨーロッパのどこかで行われている陸上競技が中継されている時期でしょうか。もうすぐ韓国で世界陸上選手権が始まります。
ぼくは、2007年の大阪大会をドイツの放送局が中継する映像で眺め、2009年のベルリン大会をTBSの番組で見るというねじれた経験をしました。
競技会場の臨場感とでもいうものが伝わったのはどちらかと問われれば、それは圧倒的に大阪大会だと答えることになります。
TBSの番組は競技そのものを生中継する部分は断片的で、注目選手を紹介するVTRと競技を観戦する俳優さんの生中継映像がかなりの部分を占めていましたからね。あの内容の番組を作りたいのなら、高額な生中継の権利を買ったりせずにゆっくりと編集した方が引き締まった番組になるのではないかと感じてしまいました。

競技大会を放映したいのではなく、すでに名の知れ渡ったスター選手が予定通り活躍したり、日本人がメダルを獲得したというシーンを切り取って映し出したいのが本当のところなのでしょう。
ニュースなどで大リーグやヨーロッパ・サッカーが取り上げられても、イチローやゴジラがヒットを打った、本田や岡崎がゴールしたと伝わってくるだけで、試合そのものの勝敗やチームの順位変動がわからないことが多々あります。

何年かに一度のオリンピックや世界選手権、ワールドカップで活躍すれば爆発的に持ち上げて、成績が振るわなければ忘れ去ることを繰り返すのでなく、普段から小さな大会も取り上げて競技への関心を育てる努力があっても良いと思うのですが…。
放送局は複数あるのだから、それぞれが違う競技を取り上げて局の特徴を打ち出すのも一案だと思うのだけど…。

以前の記事(ボブスレーと事業仕分け)でも書きましたが、既存の電波放送局がやらないのだからインターネットを使った取り組みの出番なのかもしれません。


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女性運転士 [社会]

昨日の記事でチュニジアにふれたので、ついでに最近チュニジアを連想したことをもうひとつ書きます。

先日、仙台市内を走るJR電車の運転席に女性が座っているのを目にしました。2~3人の厳しい顔つきのおじさんが脇を固めていましたから、オン・ザ・ジョブ・トレーニングというやつだったのでしょうか。
東京や大阪圏ではさほど珍しくないのでしょうが、仙台では見たことがありませんでした。

その時にぼくは、「仙台圏もチュニスに近づこうと踏み出したな」と感じたのでした。

チュニスの市街地を走る電車-いわば路面電車ですが新幹線サイズの幅の線路上をいかにも重そうな車両が走っています-には女性が乗務しています。正確な数は不明ですが5~6回に1度くらい女性運転士にあたったように記憶しています。
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路線バスにも女性運転手がいましたね。仙台には指を折って数えられるくらいしかいないのではないでしょうか。見かけることは本当に稀です。

チュニジアはイスラム教徒たるアラブ人が人口の大部分を占めている国。
イスラムといえば女性を頭からつま先まで布で覆って、家庭の中へ幽閉するのだと日本のテレビでは解説しています。

しかしそのチュニジアの首都チュニスで見た光景よりも、仙台で見る光景は際だって男ばっかりなんですよ。

公共交通の運転だけで女性の就業状況を語るのは乱暴だと言われるかもしれません。
ただ、チュニジアでは様々な機関の役職者として働く女性を多く見かけました(東京電力についてだったでしょうか、記者発表かなにかに登場する人が男性ばかりなので外国人記者が違和感を漏らしたという話がありました)。起業の中心となって外国の金融機関から資金を取り付けて生産設備の輸入などの活動に取り組む女性にも出会いました。

何でも外国と比べればいいってもんじゃない、とはぼくも思います。
しかし、男女共同参画とかいうのはずいぶん前から政府方針の柱のひとつであり続け、予算の投入を続けて担当大臣もおかれている(現在は与謝野大臣)項目です。
これから先も20年、30年と課題であり続けるべきなのか。
どんな社会を希望するのか。
変わることを望むのなら、もっと効果的な方策はないのか。
など、考えることが多いような気がします。


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人間として見ているのか? [社会]

3年前、ぼくはチュニジアの建築現場の様子を見て、こんな文章を書いたことがありました。

 建築現場を見ていて気になることがあります。

作業している人たちが、家から着てきた普段着そのままといった服装で仕事をしているのです。作業服、安全靴、ヘルメットなどが広く行き渡っていないようです。

『仕事用の服装』という概念がないわけではありません。
繊維や食品などの工場では、昔のお医者さんが着ていたような丈の長いコート様の白衣(色は青が多いようですが)が用いられているのを見ましたし、会社等の建物の掃除をする人は背中に清掃会社の社名と電話番号が書かれた揃いの作業服を着ています。中等学校くらいまでの生徒たちは、普通の服装の上に袖のない薄手のチョッキのようなものを着て通学しています。

しかし建築現場では、安全に作業するための機能的な装備が考えられていないように見えます。作業服等に金を使う仕組みになっていないのか、作業員の方が慣れた普段着で仕事をしたがるのか、理由はよく分かりません。

水を使ってセメントと砂を混ぜる作業をしている人などは、帰りに履くべき靴(普段履いている靴)を汚さないようにという配慮からか、裸足になってスコップを使ってモルタルをコネコネしています。
ヘルメットや命綱なしに高所作業をしている人もいます。

イラクやアフガン、そしてコンゴやスーダンとは側面が異なってはいますが、「人間が大事にされていない」と感じる時があります。

一方で、一応定職に就きながらも自分の部屋を構えるほどの経済的余裕は無くて、個室ビデオ店で寝泊まりしている人がいるなんていうニュースに接すると、日本のベクトルも人を軽く扱う方に向いているのではと思ってしまいます。
将来日本の街角に、裸足になってセメントをこねる人が出現することがないようにがんばらなくては…。

日本と比べて『人間の命の値段』が安いなあと感じ、まさか日本の社会がそんな方向に向かうことはないよね、と考えていました。
しかし、ぼくが現実をわかっていなかったのかもしれません。

原発作業員 143人所在不明

東京電力福島第一原子力発電所で、事故のあと働いていた作業員のうち所在が分からないため被ばく量の検査ができていない人が、これまでに143人に上ることが分かりました。

厚生労働省によりますと、福島第一原子力発電所の事故のあとから働いた作業員のうち、名簿に残っている名前に該当する人が確認できず、所在が分からない人が143人に上るということです。東京電力は、この143人を含めおよそ770人について、依然として被ばく量の検査ができていないということです。このため厚生労働省は、東京電力に対して作業員の管理を徹底するよう改めて指導するとともに、今月31日までに所在の確認を行い、被ばく量の検査を終えるよう求めています。また、ことしの5月から働き始めた作業員およそ3200人の被ばく量の検査状況について、10日、東京電力が厚生労働省に報告したということです。それによりますと、これまでに検査が終わったのは2721人で、緊急時の被ばく限度となる250ミリシーベルトを超えた作業員はいませんでしたが、50ミリシーベルト以下で20ミリシーベルトを超えた人が20人いたということです。

福島第一原発で、事故のあと、働いていた作業員のうち、所在が分からないため、被ばく量の検査ができていない人が143人にのぼることについて、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は、「所在が分からない作業員については、内部被ばくを調べるという健康上重要な検査を受けてもらうために、早く特定して連絡をとりたいと思っている。作業員の名簿の重複もあるとみられるので、名簿の確認作業などを進め、速やかに所在が分からない作業員を減らしていきたい」と話しています。

NHK NEWSWEB (8/10)

宮城での仕事だと聞かされて赴任してみたら福島原発で働いていたという人のことがニュースになったこともありました。他にもそんな人が多くいるのでしょう。誰なのかわからない人が143人、その人たちも含めて検査できていない人数が770人。
大変な事態だといっても、普段から管理手順がしっかりしていればこんなに混乱することはないのではと思います。

人間が使い捨ての機械部品のようにみなされていたのではないでしょうか。


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問題の本質を見つめよう [社会]

出来事自体については何か書きたくなる事ではありませんが、事後の対応があまりにも的外れなその場しのぎで、この社会の底が抜けてしまったのではないかとすら思えてしまうのです。

ひとつめは京都市での騒動。

五山送り火:陸前高田市のまき 「現地で迎え火」に 

 津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松を京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が放射能汚染を懸念する声を受けて中止された問題で、震災遺族らのメッセージが書かれたまきが8日夜、同市を訪れている「大文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長や現地の人の手で精霊の「迎え火」として燃やされた。

 遺族らは午後7時から黙とう。333本のまきに点火した。祖母とおばを亡くした栃木県小山市の大学生、斎藤さとかさん(22)は「亡くなった方々の魂も天に昇っていくよう」と炎の上がった空を見上げていた。

 保存会はメッセージを別のまきに書き写して送り火で使う。京都市によると、中止決定以来、約250件の電話やメールがあり、大半が中止を批判する声だった。同市の門川大作市長は、協力した現地の人に「まきの一部を残し15日に京都市役所前で行うイベントで送り火のように燃やしませんか」と打診したが、断られたことを明らかにした。

毎日新聞 2011年8月8日 22時12分(最終更新 8月9日 0時40分)

京都市長のやるべきことは、「少量であれば役所の前で燃やしてもよい」と岩手に向かって許可することなのでしょうか?
京都市民に向かって、この出来事をきちんと見つめ直す機会を作るのが先ではありませんか?

事実経過を整理した上で、「放射性物質とは?」「放射性物質の付着した廃棄物の処理方法は?」などを説明して、東北地方の地図を添付した資料などはすぐに作成できるじゃないですか。そんな物を配布するのもひとつの手段かもしれません。

京都自身の『変わる努力』が見えないまま、「岩手にボールを投げたけど返ってこなかった」と言っているのでは、今回の騒動で生じた評判(風評ではありません)を回復するのは難しいでしょう。
ぼくなどは岩手よりもずっと原発に近い場所に住んでいるので、間違って京都に出かけたりしたら、ホテル等の入り口で「おいでやす」と迎えられてもフロントで住所を書いたとたんに「いちげんさんお断りどす」とたたき出されたりするんじゃないかと想像してしまうんですよ(本当に出かける予定があるわけではないので京都のみなさんはご心配なく)。

つぎにテレビ局での騒動。
東海テレビのHPには次のような記述があります。

 【お詫び】

「ぴーかんテレビ」内での不適切な表現の放送について

 8月4日(木)に放送いたしました「ぴーかんテレビ」におきまして、岩手県産ひとめぼれ10kg当選者として「怪しいお米」「汚染されたお米」「セシウムさん」等の不適切な表現が表示された字幕テロップを放送しました。福島県をはじめ原発事故による被害を受けた方々や岩手県の農業、畜産業に携わる方々にご迷惑をおかけし、視聴者の皆さまには大変不快な思いを抱かせてしまいましたことを、ここに深くお詫び申し上げます。

 8月5日(金)午前10時に岩手県庁、そして全国農業協同組合連合会 岩手県本部に、弊社のコンプライアンス担当常務取締役・祖父江伸二が訪問、直接お詫びし事情説明致しました。

【特番関連】

東海テレビは、本件に関する特番を以下のように放送しました。
番組名  :不適切な放送のお詫びとご報告
放送日時 :2011年8月5日(金) 18:36:32~18:51:27(14分55秒間)
放送エリア:東海テレビローカル(愛知・岐阜・三重県)
放送内容 :※弊社社長・浅野よりお詫び
※事実関係のご報告
※ぴーかんテレビ休止のご報告
※今後について

(弊社社長・浅野お詫び内容)

弊社(東海テレビ)の「ぴーかんテレビ」で昨日、極めて不適切な放送をし、岩手県、福島県の皆様をはじめ、多くの方々にご迷惑をおかけしました。また視聴者の皆様にも、たいへん不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。本日は、何故このような事が起こったのか、事実関係をご報告させていただきます。また、後日改めて検証番組を放送する予定です。この度は、誠に申し訳ございませんでした。

(事実関係のご報告)

※番組で放送した内容の要約と、その後判明した事実関係を下段に付記しています。

○なぜ、このような不謹慎なテロップが放送されてしまったのか?について
1)なぜ常識を欠いた不謹慎なテロップが放送現場に存在したのか?
・問題のテロップは・・・
  • CG制作を担当する50代の男性スタッフにより作成された。
  • CG制作担当者が、実際に当選者の名前を記入する前の仮のものとして「ふざけた気持ち」で作成してしまったものだった。
  • CG制作担当者に渡す発注書には、不謹慎な文言は記載されていなかった。
・8月3日(水)(=放送前日)にテロップ画面をタイムキーパー(以下TK)が確認、その場で訂正を
 依頼した。しかし、CG制作担当者はそれを訂正の依頼と認識せず、そのまま放置した。
・8月4日(木)(=放送当日)朝、TKが問題のテロップを再度確認し、改めて訂正を依頼したが、
 CG制作担当者はこの時点でも「訂正の依頼と認識せず」放置した。
・「訂正」を巡るスタッフ間の理解の食い違い、テロップをチェックすることになっているディレクターに、
 問題のテロップの存在が伝わらなかったことで、チェック機能が働かなかったという管理体制の甘さによ
 り、常識を欠いた不謹慎なテロップが、放送の最終段階まで残ることになってしまった。
2)なぜそのようなテロップが23秒間も放送されてしまったのか?
・不謹慎なテロップが出たのは、通販コーナーのVTR O.A中だった。
 番組スタッフはその裏で、その後に予定されていたスタジオコーナーのリハーサルを行っていた。
・TKがリハーサルに合わせ当選者発表の仮テロップを準備する作業をしようとした際、仮テロップが不謹慎
 な文言のままだということに気づいたが、誤操作でテロップが放送されてしまった。
・不謹慎なテロップが画面に出た際、ディレクター他の制作スタッフは、放送画面ではなくリハーサル用の
 画面を見ながら作業をしていたため、放送画面のチェックが遅れ、その後慌ててテロップを外したが、
 結局23秒間にも渡り放送してしまった。

(ぴーかんテレビ休止のご報告)

『ぴーかんテレビ』は、当面放送を休止。コンプライアンス意識と管理体制の再検証を進める。

(今後について)

後日改めて検証番組を放送する予定です。
引き続き、原因究明と検証を重ね、このような事が二度と起こらないよう、
管理体制の見直しとコンプライアンスの徹底を図り、失った信頼を回復するため努力してまいります。

以上

この文書を作成した人は「なぜ外部にばれてしまったのか」を問題視しているんじゃなかろうかと感じるのはぼくだけでしょうか?
問題の本質は「ふざけた気持ちで作成した」とだけ述べられている所にあるんじゃありませんか?

なぜ、50歳過ぎの人が(私的なお絵かき帳でなく)会社の機材を使って(たぶん業務の一環として)あの画像を作成したのか。
他の人物もその画像を目にしていたにもかかわらず、その場で「ふざけるのもいい加減に」とか「仕事と遊びを混同するな」とか毅然と言い渡す雰囲気が社内には存在しないのか。
この部分にきちんと目を向けずに「コンプライアンス」なんてかっこいい言葉を使っていても、全く意味を成さないだろうと思います。いや、コンプライアンスという言葉を理解して使っているなら、自ずとその方向に目が向くはずなのですが…。


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