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ノルウェー [国際]

先月22日、ノルウェーのオスロ中心部で爆弾が爆発し、後にそこから45km離れたウートイヤ島で銃撃があって、多くの人たちが傷つきました。

事件直後にストルテンベルグ首相が語った声明が駐日本ノルウェー大使館のHPに掲載されています。
これがぼくには新鮮に感じられました。(日本のエライ人たちの言動にうんざりしているからでしょうか?)

ノルウェーは本日、衝撃的で卑劣な暴力攻撃を受けました。
誰が犯人なのかは分かっていません。多くのことがまだ不明です。
しかし、大勢が死亡し、負傷者も多数いることは分かっています。
邪悪な出来事が突如として残忍な方法で人びとを襲い、皆がこれに動揺しています。

今夜は私たち全員が大きな試練に耐えなければならないでしょう。
この先数日間は、さらに厳しい試練が待ち受けているかもしれません。
私たちはそうした試練と向き合う覚悟をしています。ノルウェーは危機にあたって結束します。
私たちは亡くなられた方々を哀悼します。
負傷された方々の苦しみを分かち合います。
そして、私たちの気持ちは被害者の家族や友人と共にあります。

今回の攻撃は罪のない一般市民に対する攻撃であり、夏期キャンプに出席していた若者に対する攻撃です。つまり国民に向けられた攻撃なのです。
攻撃した人物に、そして攻撃者の陰に隠れている者たちに、私から伝えたいことがあります。
ノルウェー全体からのメッセージです。
あなたは私たちを破滅させることはできません。
あなたは私たちの民主主義を、より良い世界を築こうとする私たちの努力を打ち砕くことはできません。
ノルウェーは小国ですが、誇り高い国家です。
爆弾で私たちを黙らせることは、誰にもできません。
銃撃で私たちを黙らせることは、誰にもできません。
脅しによって私たちをノルウェーから追い出すことは、誰にもできません。

今夜、私たちは互いを大切にします。
互いを慰め、共に語り合い、団結します。
明日、私たちは、世界に対して示すつもりです。圧力を受ければノルウェーの民主主義はより強固なものになるということを。
私たちは犯人を見つけ出し、法の裁きを受けさせます。
今夜最も重要なことは、傷ついた人々の命を助け、被害者とその家族全員を保護することです。
この数時間、人々を助け被害の拡大を防ごうと力を尽くしている警察、医療関係者その他の方々に対して敬意を表します。

私たちは自分たちの持つ価値観を決して放棄してはなりません。
私たちの開かれた社会がこの試練に耐えることを示さなければなりません。
暴力に対する答えは、民主主義をさらに強固なものにすることだということを、
相手をもっと思いやることが暴力に対する答えだということを、示さなければなりません。
しかし、純真(naïve)であってはいけません。
純真とは犠牲者とその家族に与えられるべき言葉だからです。

極右的思想を持つ犯人が逮捕された後、事件の翌週にオスロのメインモスクでイスラム教のイマームとキリスト教のビショップが並んで追悼式が行われました(→ France24ニュース)。
この式典におけるストルテンベルグ首相の言葉も格調高いものだと感じます。
"The result was a strengthened democracy. A tighter unity."
"We want to be one community. Across faith, ethnicity, gender and rank,"

この発言を受けて、今は日本に住んでいるノルウェー生まれの19歳の女性が考えを綴った文章が、作家の森達也氏のHPで紹介されています。一部だけ引用させていただくと…

 事件後にストルテンベルグ首相が、ノルウェー在住のイスラム系の人々と共にモスクで「多様性は花開く」と語ったとき、 そしてこの民主主義の核心への攻撃がかえって民主主義を強くするのだと語ったとき、 私は本当に誇らしく思いました。これこそがノルウェーだ、これは忘れてはならないこと、そして変えてはいけないこと、そう思ったのです。

首相の姿勢は、大多数、いえ、ほとんどのノルウェー人の思いの反映です。ノルウェー国民は今、なによりも共に手をとり、 互いの肩にすがって泣き、こんな攻撃に連帯を弱めさせまいとしているのです。被害者の母親の一人は、事件後にインタビューで、 「「一人の人間がこれだけ憎しみを見せることができたのです。一人の人間がそれほど愛を見せることもできるはずです」と 語っています。私の友人たちも知り合いも、みな同じ態度で臨むと言っています。

(元の文章は死刑制度とノルウェーの移民政策を論じています。)

ノルウェーの社会って強いなあと思います。
勇ましいんじゃない、強いんです。


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